第120話

 然り―和嶋は、予感していた。


 天降は、己に取っての邪魔者を排除し―

 己が望む通りの奏者を揃えて、楽団オーケストラの頂点に君臨せんと画策している……


 何名ものピアノ奏者を、退団に追い込んだり…

 西風や淡海を、集中的に罵倒したりするのも、その計画の一部に他ならぬ……。


「俺は…君の御兄さんのピアノと、重奏するのが目標だった……

 ピアニストとしての作野先輩なら、誰よりも知ってたと、自負してる……


 だからこそ―」和嶋の言葉が、途切れた―


「明良!?

 上がって来い!!」

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