第117話

「……(冷汗)」


「~たく…

 明ちゃんは、センパイにチェロの腕を買われてるから、能天気で居られるケド……


 俺なんか、運弓ボウイングから、駄目出しで…


 いっそ、次席に降りたいよ……(嘆息)」


「炯ちゃん…

 何、云ってるんだよ……?


 弓合わせなら、幾らでも付き合うし―」


「第七曲の合奏前に、呼び出してくれ?


 外で空気、吸いたいから……」


「あ…うん……


 御免…

 僕、一寸―」


「明ちゃんは別に、悪くないさ!?


 君こそ…

 頑張れるのか?

 『白鳥』……」


「……ああ…

 有難う……」

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