第106話

「はい!

 先輩が、楽譜ごと…弟に、情熱をつけて来て下さったから……


 きっと、彼は…

 貴方のピアノに、希望の音を重ねたくなったんです……!」


「…フ…

 詩人だな?

 理律夫は……


 明良は…

 俺に取って、手離せないチェリストだ……


 次のヨーロッパ公演が終わったあと


 新しい首席メンバーで、『動物の謝肉祭』をメインにした、慈善チャリティーコンサートの開催を考えてる……」


「!?」


 天降が突然切り出した、驚きの企画―


 理律夫は、顔色を変えた。



 「新しい」…?

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