第11話

 加害者達の罪は、忘れようと決めてる……


 だから、明良…

 あのイヴに起こった事件ことは、無かった物として…

 『白鳥』を、弾奏してくれないか……?


 『動物の謝肉祭』だけ、首席チェリストが不在なんて…

 淋しいよ……」


「……兄さん……


 そんなの…

 無理に決まってるだろ!?」


あき―」


「兄さんこそ…

 義姉さんと、連弾出来ないじゃないか!?


 その、手袋だって…

 今でも、外せやしないのに!!」


「!」


 理律夫は、嵌めた儘の白手袋に、視線を落とす……

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