第37話

 差向かいで珈琲を飲む、ブルーグレーの検査服を着た、二人……。



 更に、二年が経ち―花奈と浩生が施設に入所してから、三年が過ぎた。


「何だ(嘆息)。

 未だ奥さんに、報せてないのか?」


 自動車整備場のシャワー室で、技術指導教官の三輪に、呆れられている浩生……


「はい…

 どう、説明すればいいのか…考え付かなくて」


「『〝自動車整備士〟の国家試験に、合格出来ました』。

 それでいいんだよ(溜息)」


「…そう、ですね…?


 僕…

 アタマとカラダが、チグハグで……


 カオとか、コトバとかに…

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