第38話

 キモチを出すのが、ヘタで……」


 三輪は、目を伏せて―静かに応えた。


「……

 無理無いな……


 君達は、身も心も…

 人非人ひとでなしどもに、蹂躪された挙句……


 当たり前の、幸福しあわせを…

 殆ど、奪い去られて仕舞った……」


「…憶えて、ないんです……


 それが…幸せなのかも知れません……」


 三輪は、浩生のを見詰め―その視線を合わせた儘で、力強く云った。


「心のリハビリには…心的ダメージを受け続けた、倍以上の時間が必要だと云うが……


 君は未だ、24だ…

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