第30話

 然り―彼が、これから職業訓練を受けさせられる現場は、自動車整備場……


「浩生さん。


 最初は辛くても、じきに慣れるので」


「はい…


 …『頑張ります』」


 其処へ―浩生と同じ作業着姿の、恰幅の良い壮年の男がやって来た。


「君が新入しんいりの、桜井君か!?」


「はい…御主人様」


「ハハハ!?

 ソリャ無い無い!(苦笑)


 俺は指導教官の、三輪だ。

 それでいい」


「はい…『三輪さん』」


「うん、いい返事だ。

 君、何かスポーツやってたか?」


「…憶えてません…」


「…そうか……

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