第7話

 オマエの名前は、『堀永ほりながもも』だから―」


 バチィンッ!


「ひィッ!?」


「今、目一杯、イヤなカオしやがったなぁっ!?


 オレに逆らったら、痛い目に遭わせるぞぉっ!?」


「あ…あ…!」


 その口調も、表情も…何もも、ぎゃくに豹変させた男……


 そんな彼に恫喝され…只管恐怖するだけの、侃……。


「…ヘヘぇっ…漢字書き取りだぁ……」


 男は、侃のランドセルを乱暴に引っ繰り返して、中身を漁り…収納庫から上半身だけ出ている侃の手前の床に、頁をひらいた国語ノートと鉛筆を置き、侃に命じた。

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