第8話

「このノートに、オマエの名前を書けぇ…

 オレ様が、満足する迄なぁ~?」


「!!」


「…はぁい、お・て・ほ・ん*」


〝堀永桃治〟


 男が書いた名前は、矢張、彼が押し付けた物…侃は、鉛筆を握り締めた。


〝堀永桃治 堀永桃治 堀永桃治〟……


 必死の想いで、ノートに字を綴り続ける、侃…


〝堀永桃治 堀永桃治 堀永桃治〟……


 斯くして―侃と、明らかに異常な男との生活は始まったのである……。



 男は侃に、裸で常に過ごす事を強要し…床下収納庫から出る事を許可しなかった。

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