第45話

 一度に思わぬ大金を手にして…

 過去の悪癖を思い出したのかも知れませんよ…?


 彼に取って、『事故』は…

 絶好のチャンスだったのでは……?」


「……」


「立派に更生して、あなた達と所帯を持ち…

 漸く一つ所に落ち着いたと、我々も信じたのですが……


 彼は所詮、猫撫声で女性に甘えて餌をねだる…

 勝手気儘な黒い猫にしか、なれん人間だったのでしょう……


 全く、残念です……」


「……」


「…一応、捜索願は受理しますが…

 自発的な家出の可能性が高いですし……


 『失踪宣告』を、御存知ですか…?

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