第44話

「……


 失礼ですが…

 佳一さんには、前科があります……


 詐欺罪…

 被害者は、あなたでしたね……?」


「……はい……」


「実は…

 こういう証言が、ありまして……


 事故発生推定時刻よりもあとの、日没頃…

 御宅の取引先の、靴店の御主人が、フラフラとアーケードを歩く、佳一さんを目撃し、声を掛けたが…

 御主人を良く見知っている筈の彼は、訝し気な表情かおをしただけで、無言の儘、立ち去った、と……」


「……!?」


「……


 大層腕のいい職人で、人柄もいいと評判の様ですが……

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