第26話

「ん…」


 パタン…カチャリ。


「…フン…


 アイツの方が、よっぽど…


 口八丁、手八丁ぢゃねーかよ…(嘆息)」


 そう、独り呟いて―佳一は、微苦笑した。


 一方、工房のドアを挟んで―伽那子も又、複雑な表情かおをしながら、苦笑する。


 憎まれ口を叩きながらも、仕事に関しては決して手を抜かず、小売で販売するのが勿体無い位の逸品を仕上げて行く、佳一……


 人当たりも良く、この工房を訪れて彼を見知った者達は皆、一様に彼を好ましく感じ、信頼を寄せる……

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