第5話

 そもそもジゴロにゃ、結婚は要らない手間だしな!」


 佳一は、全く「反省」していなかった。


 「被害者」に「詐欺罪」で告訴されたのも、彼女が妊娠して仕舞ったのも、想定外の「不運」…


 心証を良くする為に、婚姻届と出生届を書き…形式的には「夫」と「父」に成ったが、「責任」を取る気等は、毛頭無い……


「トンズラしちまえば…今迄通りさ?」此処は、福岡…東京からは、遠い―


「そうは行かないわよ!?

 南場佳一」


 突如響く、声―


「!?」


 振り向いた先…一人の女が腕組をして、佳一を威圧している……。

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