第3話

「結婚詐欺を働いた罪で、入所して来た時には、軽薄そのものなやさおとこだったが…うむ、この三年間で、見違えたぞ?」


「…恐縮です……(恥)」


 佳一は含羞んで、刑務官に応えた。


「私は…無知で、不勉強でした……

 告発を受けて、思い知りました……


 迷った捨猫が、拾われた先の女性に、爪を立て…

 彼女の温情に、後足あとあしで砂を掛ける様な生活は…間違っていた、と……」


「…その通りだ。


 君が勝手に、『ジゴロ』を気取った所で…訴えられたら、犯罪になるんだ……


 まあ、君は…キチンと男の誠意を示したがな?」

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