第2話

 辿り着いた場所は、収容時に入れられた部屋だ…佳一は、預けていた所持品を渡され―着衣を脱いだ。


 新しい下着と、新調したスーツ一式を着て行く彼…最後に彼は、新品の紳士用高級革靴を履いた。


「…全く…惚れ惚れする靴だな?


 君が此処迄、立派な革工芸職人に成長するとは…」


 その靴は佳一が、刑務作業で仕立てた物だ……


「有難う御座います…」


 そう応えて、彼は―これも又、彼自らが一から仕上げた―新品の高級トランクの蓋を開け、全ての手廻品を詰め込んだ。

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