第21話

「可愛い軽自動車けいね…

 中古には見えないわ☆」


 丸い外形フォルムの、卵色カスタードの車輛…


「僕も、そう思います…


 高校、少し遠かったから…

 助かりますね?」


「フフフ…

 行ってらっしゃい♪」


 玄関先で、優一が彼の養母と…


 千歳は、二人の横を行き過ぎる。


「夜勤…行って来ます」


 空かさず優一が、車のキーを示しつつ、笑顔で彼女に提案した。


「お兄ちゃんが病院迄、送ってやろうか?

 通り道だし―」


「電車の定期、在るから…

 っといて…!」


「千歳!」


 彼女の母の叱責―

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