第15話

 彼の瞼が、ゆっくりと開かれたのだ……。



「…こんな僕を…長い間、有難う御座いました…!」


「優一くん…

 こちらこそ、有難う……


 君という存在が、我々家族に呉れた物は、数え切れないんだ…


 ゆっくり、話して上げるよ?」


「……お…とう、さんっ……!」


「優一くんの、あーんな事や、こーんな事も…


 一杯、ね?」


「…御母さん…(恥)」


 新たに動き出した、家庭…


 ぎごち無いながらも、打ち解けて行く、優一と彼の養父母……


 その中に入る事を、躊躇う千歳…

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