第50話

 そして、心から…

 「ありがとう」って……!


 中央道を走る、純哉の車…その進む先に、珈琲店が見えた。


 「ブルージュ」―純哉は微笑して、呟いた。


「そうだ…


 ちょっと、寄り道して…

 おいしいコーヒーとクッキーを、買って帰りましょう…?


 そして―」


 キキキキキ…


 急ブレーキの音―


「!?」


 ガシャーン!!


 ほんの、一瞬だった。


 純哉の車に、対抗車線から―スピンした車が、突っ込んで来た。

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