第51話

「スピードは、規定速度内で…正しくシートベルトを装着され…エアバッグも、正常に働いていました……


 恐らく…精神的ショックの方が、大きいのでは……」


「…純ちゃん…!?」


「状態は安定してますので…この儘、安静に……」


 純哉は、救急搬送され―某救急患者受入病院の一般病室で、昏々と眠り続けている…


 有砂は、彼の入院準備の為、病室を出た。


 カラカラカラ…ピシャン。


 独りになった、純哉…彼の口から、譫言うわごとが洩れた。


「……!


 や…

 やめ…!」

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