第35話

 要らない荷物はな!!」


 ブー…


 純哉は、どんどんアクセルを踏み込む…


 90…100…120㎞……


非道ひどい!!」


 有砂は、シートベルトを外し―助手席から運転席へと、身を乗り出した。


「何だよ!?

 何なんだよ、テメー!?


 めろ―」


 純哉の暴走以上に―有砂は狂乱していた。


 彼女は、シートベルトをしていない純哉の体に、縋り付いた。


「うわぁぁぁぁっ…!?」


 キキキキキキー…


 ハンドルが、切れない―

 慟哭する純哉の車は、激しくスピンし…海岸線の側壁に、り込んだ―。

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