第28話

 そして…車のハンドルを握る彼は、気紛きまぐれの様に…助手席の有砂に囁いた。


「『海』リンクで、オマエにだけ…教えてやる……」


「……これからドライヴで、行く所…?」


「ああ…

 一緒に、見たい……


 『海神ト成リシ英霊ノ勇志、

  純粋ナルカナ』―


 そう刻まれた石碑の傍で、俺は生まれ落ちた……」


「……」


「そこの岬から…凄く綺麗な、海が見渡せる……


 『海神ノ岬』…

 俺のルーツ……」


「純哉……」

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