第27話
「私…磯子有砂。
苗字は、横濱に在る、区の名前と同じで―」
「『磯』…?
フ……
海…か…?
俺は…海神純哉……
分かる?『ワダツミ』―」
「確か…海の神様?」
「へー…即答?
矢っぱ、かしこいな?
アンタは……」
所謂「箱入娘」で、キャリアウーマンの有砂も、矢張例外とは成らず…純哉の浮薄なナンパで、忽ち籠絡され―即日「助手席の女A」に、されて仕舞った。
そんな純哉が、唯一「有砂」に興味を示したのは…その苗字だけであった。
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