第20話

 いつだって…こんな風なのに…?」


「…いいの。

 それでも…


 私は、唯…

 純ちゃんが…欲しいだけ…!」


「う…

 あ…りさっ…!」


 純哉は、右の二の腕と左腕で、有砂の体にしがみ付く…有砂は、彼に償う様に云った。


「…体外受精…頑張ってみよう…?」


「…えっ…?」


 純哉はハッとして、有砂を見る―彼女は、敢えて笑顔で、彼に応えた。


「あなたが、『子供を育てよう』って、言ってくれて…

 うれしい…!」


「有砂さん…!


 …うん…

 うん……」

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