第21話

 純哉も泣き笑いして、有砂の胸に、頬を寄せ…何度も、何度も、頷いた……。



 先進不妊治療で定評の有る、某産婦人科医院―


 体外受精の為の準備は、滞り無く終わった。


「精子に、全く問題は有りません。

 相当数の精子も、精巣から採取出来ましたので…妊娠確率は、高いでしょう」


「良かった…」


 涙ぐむ純哉…時には苦痛も伴った事など、既に忘れて仕舞っていた……。


「純ちゃん…ありがとう…!

 辛かったでしょ…ごめんね?」

「いいえ…

 有砂さんこそ、大丈夫ですか?」

「私は平気…?

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