第16話

 一番嬉しかったのは、お義父さんに、「有砂が、君を選んでくれて、良かった」と、お言葉を戴けた事です。

 そればかりか、こんな僕と、養子縁組をしようと迄…僕は、何て幸せな「婿」なんだろうと、涙が止まりませんでした。〟


〝お父さん。いつも美味しいお酒を、ありがとうございます。将棋も、もっと上手くなりますから。

 お母さん。夏には浴衣を、冬には綿入れを、ありがとうございます。

 珊瑚。お父さんをいつも、喜ばせてくれて、ありがとう。

 そして、一番に―有砂さん。

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