第44話

 娘の為に…

 貪欲に、生きて。


 貴方に、本当の最期が訪れる迄…

 愛を、愛してやって……!?」


「!?」


 草司は、驚く―


 を潤ませながらも、凜然と立つ、珠実…


 彼女の手には、「離婚届」が……


「別れましょう…?


 保険も…

 めていいから」


「どうして……?」


 愕然とする、草司…

 珠実は、目を伏せて…彼に、告白した。


「私、ね…


 『夫』を苦しめる、『妻』も…


 『子供』を哀しませる、『母』も…


 憎かったの……」


「………」

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