第21話

 刑務官達は、塀の向こうに消え―閉められた扉の前には、草司一人が残された。


「…!」


 サックスブルーのスーツを着た、セミロングヘアの美しい女性が、ツカツカと草司の方へと歩いて来る……


 彼は、膝を落とし…彼女に向かって、土下座した。


「申し訳ありません!


 僕は、あなたに…

 ずっと謝りたくて…!?」


「止して。


 誰かに見られたら、恥ずかしいじゃないの…?」


「あ…」


 珠実の言葉に、思わず顔を上げた草司―


「!」


 艶やかな黒髪、黒目がちな

 整った鼻筋…

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