迎える妻に、深謝する夫

第20話

 200X年6月X日・午前9時―関東北少年刑務所の裏門から、沖元草司(21)は、刑務官二人に伴われて、外へ出て来た。


「………」


 藍色のソフトスーツを着た草司は、一台だけ停まっている、見知らぬ茶色のセダン車に戸惑う…

 刑務官が微苦笑しながら、彼に教えた。


「判らんのも、無理ないか…?


 奥さんだよ…

 来て貰えて、良かったな?」


「えッ…?」


 さか「妻」が「被害者」とは、知る由も無い…刑務官等は、草司を励ます様に言った。


「頑張るんだぞ?

 『お父さん』…」

「幸せにな!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る