第11話
どうせ十年で…
又、出て行きますから……」
「奇特な人だねぇ…(嘆息)
娘さん…
淋しいだろうに……」
「…まぁ……
愛には、申し訳ないですけど―
って!?(汗)
保育園に行かないと…(焦)」
「御疲れさん…?」
笑う上司に会釈して、珠実は車を走らせ、彼女の娘を迎えに、保育所へと向かう……
娘・愛(3)は、云わずもがな―草司との子供である。
一体、誰に似ているのか―艶やかな黒髪に、黒目がちで円らな瞳…長い睫毛に、整った鼻…生まれた時から、愛くるしい女の子であった。
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