第69話

「僕の脚の怪我は、事故が原因です。


 小雪さんとは、関係ありませんから」



 そう、みんなに云ったのに…


 君だけは、ずっと首を横に、振り続けて…

 僕に、優しく接してくれた……


 そんな君を、独占したくて…


 僕は、我儘を云ったんだ―


 「友達」になって、と……。


 ホントは…「彼女」と、云いたかった……



「チャームリングだよ?


 右の薬指に、嵌めてみて…?」



 御店のカウンター越しに、ポンと渡したけど…


 ホントは、ちゃんと…左手に着ける指輪として、君に贈りたかった……

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