第35話
「………」
量大は、目を伏せたが…独り頷いて、小雪に答えた。
「君の御母さんの気持ち、分かるよ…?
自分が辛いよりも…
小雪さんの将来が、心配なんだよ?」
「量大くん…?」
「…帰りは、ちゃんと…
君を連れ出してるのは、僕だから…
挨拶だけでも、きちんとして置かなきゃ…ね?」
「………」
小雪は、小さく頷く…量大は、微苦笑して云った。
「僕が過去から、離れないから…
君も、離れられないんだよね…?
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