第34話

 量大の呟き…


「…そうだね……」


 小雪は俯く……


 レスキュー車輛と救助マット、レスキュー隊員達に埋め尽くされ…気付く余裕など、全く無かった……


「…小雪さん…

 何かあったの?」


 量大が不意に、小雪に訊ねた。


「えッ…?」


「家から、急いで出て来たし…

 何となく、元気無いし……」


「あ…」


 矢張、量大には、気付かれていた…


 小雪は苦笑して、彼に答えた。


「一寸、ね…

 母親と喧嘩しちゃって(恥)。


 だって…

 慰霊碑ここに行くの、めろなんて云うのよ…?

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