第33話

 小雪は心の中で、亡友達に詫び続けていた。


 何時の頃からか―彼女は、彼女達を想い起こして泣く事が、無くなって行った…


 そう―

 彼女の中で…量大の存在が、次第に大きくなって行ったから……。


「…御免…

 一寸、アルコール入れちゃったんで…(汗)


 少しだけ酔い醒ましに、付き合って?」


「うん♪」


 小雪は、電動アシスト仕様の、量大の車椅子を押す…

 彼の綺麗なうなじを見ながら、彼女は線路沿の遊歩道へと、彼をいざなう……


「あの時は、気付かなかったけど…

 秋の花が綺麗な場所だよね…?」

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