第32話

 …っあー…

 矢っぱ、吸うと思い出すわー…(懐)」


「………」


 夏色ワンピースで、黙祷する小雪…


 その傍らで、当時その儘の口調で、亡友等に寄り添う量大―

 車椅子に座る彼は、義足を着け…夏仕様の喪服を、キチンと着ている……。


 日本酒を小さな紙コップで一杯だけ飲み、煙草を一本吸ってから―量大は徐に、ソッと小雪に声を掛けた。


「小雪さんも…

 櫻さんや桃子さんと、沢山御話出来た…?」


「…うん……」


 御免ね…

 サクちゃん、モモ……


 量大くんの事ばかり、気に掛けて……。

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