第26話

 いとまごい…悠庵は笑顔で、小平次に応えた……。



「さえ…!


 今、帰ったよ?」


「御帰りなさいませ!

 悠庵さま…


 御疲れ様でした…」


 診察室の勝手口を上がった所で、さえは、悠庵の肩の荷を預かり、彼の半身に手を添える…

 悠庵は、杖を着きながら、さえの肩を借りて、へやへ入る……


「さえ…


 今日の診察が終わったら…

 一寸ちょっと私に、付き合って欲しいんだが……」


「…?

 はい!」


 そして、夕刻―


 色めくさえの助手達を尻目に―悠庵とさえは、連れ立って出掛けた。

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