第13話

「…有難う御座います…」


「皮肉だぞ?」


「そうは聞こえませんでした」


「…フン…*」


 さえは、小さく声を立てて、笑う…


 悠庵の背中で、背を向けて、幾度も泣いた…


 でも、今…

 彼の前で、笑う事が出来る……


 そんなささやかな、幸福しあわせに……。



「何で又、この俺が…

 御前の留守番しなきゃならねぇんだよ、え?」


「何時もの様に、横に座っていて下されば、結構です。


 それでは…!」


「……チッ…」

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