男を試す、娘

第11話

 どの位の、時間を要したか―


 悠庵は、阿片地獄の狂躁状態から、完全に脱し―漸く、最初に通された奥の間に、戻って来ていた。


「髪を―」


「構うな。

 穀潰しには…これで十分さ?」


「………」


 風呂に入り、浅葱色の病衣を着た物の―


 整髪せぬ儘、紐で首元辺りを一括りしただけの、長い髪…

 依然として変わらぬ、痩せこけた肉体からだ


 否応無しに、得も云われぬ雰囲気を、醸し出している……。


「んっ…?

 何だ?この、棒っ切れは…」


「前に申し上げた、『簡単な義肢』です。

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