第9話

 懐から風呂敷包を掴み出してまさぐり、明らかに使い込まれた煙管を、彼女に突き出したのだ…!


「な…!?」


 さえは、噂を聞いている―


 流人るにんをより多く、長く働かせる為の手段…


 一般では御禁制の阿片を、彼等に強制的に吸引させて中毒にし…疲れや眠りを忘れさせる……


 まさか、現実に知ろうとは…


 況してや……


「悠庵さま!?


 貴方様が最も憎み、御公儀に訴え出た事で陥れられた、阿片…


 それに屈し、自ら堕ちる等―」


「るせぇ!?


 俺はもう、廃人なんだよ!!」


「!!」

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