第8話

 そう云われても尚、近寄らぬ一同には構わず、さえは悠庵を、奥の間へと招き入れた。


らくになさって下さい……


 六尺超の病衣、在るかしら……


 松葉杖と…

 簡単な義肢も……」


「…どうでもいい。


 それよりも、な?さえ…

 頼みがある」


「え…?

 はい、何でしょうか?」


 悠庵が初めて、己に話し掛けてくれた…顔を綻ばせるさえに、彼は有ろう事か―


「薬棚に…阿片が在るだろう…?


 一寸だけで、いいんだ…

 俺に寄越せ……


 大島を出てから、ずっと吸ってねぇ…

 もう…限界だよ……ほら…!?」

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