第4話

 遅くには、なってしまいましたが…冤罪だったと、認められ…


 無事に戻って来られて、私―」


「『無事』?

 無事だと?ハン!」


 さえの言葉を遮り、憮然とする、悠庵―彼は、身も心も、荒み切っていた……


「この刺青が、消えるのか?

 消せた所で、何になる?


 とり調しらべでの拷問で、利き手は腐って、腕の半ばから、バッサリ…

 見ての通り、左脚も折られて、跛になっちまった……

 薄気味悪過ぎて、物乞いにもなれねぇ…ハハハハハ!」


「悠庵さま!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る