第3話
「杖、忘れんな。あばよ」
斯様な態度の役人には、全く無反応の儘で―男は、風呂敷包を懐に捩じ込み、杖を手にしてユラリと
瞬間―彼の
「…さえ…?」
男の視界で涙ぐむのは、
「御帰りなさいませ……
悠庵さま…!」
さえと、悠庵―実に六年振りの、再会であった……。
「…旦那様は、二年程前に、御亡くなりに……
最期迄…無実の証を立てる事が、叶わず…無念だった、と……」
「………」
「でも、こうして…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。