第69話

 君は、全然気付かなくって……

 それどころか、僕にやさしくしてくれて…


 ゆっくり、心を開いてくれて……


 僕を……

 愛してくれた……」


「………」


 花音は、奏逸朗を顧みた。


 彼は、静かに涙を流しながらも…

 真剣ほんきで、彼女に想いを伝えようとしている……


「僕は…

 甘えてしまったんだ……


 君を…

 失いたくなくて……


 だって…

 本気で…愛してるから……!


 僕の人生なんて、どうだっていい位…

 君が…大切なんだよ…!?」

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