第57話

 斯様な記事が綴られた数多の新聞や雑誌が、室内に遺されていた…


 大袈裟に書かれてはいるものの、内容は粗、真実だった……。



 一晩中、玄関に置かれ仕舞いだった、コントラバス……


「……」


 奏逸朗は、それが収められた楽器ケースを携え…重い足取りで、JBM交響楽団に向かった。


 楽団に顔を出す所では無かったが―予てより、弦楽器の五重奏団クインテットメンバーと、「音合わせ」をする約束もしている…一人切りの部屋で打ち拉がれているよりは、数段ましだったのだ……。

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