秘密の代償―奏逸朗―

第46話

 奏逸朗は、何時もの様に帰宅した。

 しかし…


「…?」


 既に夜なのに、玄関灯が点いていない…


 彼は合鍵で、ドアを開ける……


「!?」


 玄関内も―


 室内全てが、真暗だった。


 玄関付近の灯りを点けた奏逸朗の、ローファーの爪先が、何かを蹴飛ばした。


 …チャリン。


「!」


 それは―花音が持っている筈の、このへやの鍵だった。


「花音さん…?」


 奏逸朗は、コントラバスとスーツケースを、玄関口に置いた儘、居間に駆け込む…


 矢張、花音は居ない……


「!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る