第47話

 ローテーブルを見遣った彼は、ハッとなった―


〝離婚届〟

〝妻 周 花音〟


 花音が記入す可き欄は全て記入済で、既に彼女の署名と捺印迄為された、「離婚届」…


 その傍には、花音の結婚指輪マリッジリングと、走り書きされたメモが置かれていた……


「……!!」


〝さようなら 花音〟


「か…のん…!」


 奏逸朗は、膝を着いていた…


 彼は、直観したのだ―


 許される筈も無い罪を、秘密にし続けようとした…


 その代償が今、更なる呵嘖となって、己を罰するのだ、と……。

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