第16話

 花音の心は…震えた……。



「『奏逸朗』さん…

 ホント、素敵な名前ね…?」


「ありがとう…


 …父が…付けてくれて……」


「少なくとも…

 コントラバスなら、あなたが一番星ね?


 あなたは、音を…

 やさしくはじくから……♪


 私も、その音に触れると…

 ドキドキするの…*」


「……」


 奏逸朗に招かれた、何度目かのコンサートの後―花音は、変わらぬ温かさと優しさを込めて、彼に囁く…


 奏逸朗は、暫く考えていた。

 そして、彼は…花音にった。


「花音さん…

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