第13話

 第79回定期演奏会 SS席〟


 入手困難なコンサートのプラチナチケットが、一枚入っていた……。



 JBMシンフォニーホール。

 何時もとは違った、ナチュラルメイクの花音は、フォーマルワンピーススタイルで、奏逸朗の演奏に、耳を傾けている……


 交響楽団の、揃の蝶ネクタイスーツを着て、優しい表情かおと指先で、ベースパートの音を、直向きに奏でて行く、奏逸朗……


「来て下さったんですね…?

 あ―」


 紅薔薇と霞草の花束が、花音から奏逸朗へと…


「…あっ…

 ありがとう…!」

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