第4話

 二人が出逢ったのは、ファッションヘルス店内―彼は客で、彼女はヘルス嬢だった……。



「ユカリちゃん!

 一見いちげんさん・一名様、お願い!?」

「はーい!」


 花音は「ユカリ」という源氏名で、歌舞伎町界隈の有触れた風俗店で、風俗嬢として働いていた。


 先客に使用した備品を交換する。


 体を洗浄して、髪を整え…化粧をし、バスタオル一枚を体に巻く……。


「…こ…こんにちは……」


 濃紺のソフトスーツに、ドットの織模様が入っている、紫紅色のネクタイを締めた、整った目鼻立ちの青年―奏逸朗の表情は、硬かった……

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