第21話

 月に酔い痴れるよろこびを知った者が…

 その甘美なる官能を、手放す筈は無い…!」



 瓊一と詩織が、突然に引き離されてから―一体、どれ位の時間ときが経ったのか…

 互いの身を案じつつ、眠りに落ちた二人は―港湾倉庫の中で、共に目覚めた。


「―詩織さんっ!?」


「あっ…瓊一くんっ…!?


 痛いッ…

 痛いよ…おなかがッ…!!」


「!?」


 拉致当時のセーラー服を着た、詩織―だが、彼女の体形は、明らかに違って仕舞っていた。

 彼女のふくれ上がった腹部に、動揺する瓊一…


「詩織さん!?

 しっかり!?」

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