第20話

 表向き、詩織に目立った変化は見られず…当人達は、全く気付いてはいなかったが―地下組織構成員の興行主達は、日を追って彼女の身体からだが、微妙に変わって行くのを、見逃さなかった……。


「…到頭、妊娠したか…」


 彼等は大して驚きもせずに、煙草臭い息を吐いた。


「そろそろ、『公開捜査』を出して然る可き、時機だ…


 潮時か?」


「奴等は…十二分に、稼いでくれた……想定外にな?


 放流してやれ…!

 遡上した魚は、子を産んで…又、戻ってくる……


 此処に…必ずな?」


「ああ…

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